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  • 2023年7月27日
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歴史ノンフィクション小説 その後の芳一 【第11話】

 翁の反応がないことに異常さを感じ、小金吾は手をかざし軽い念力で翁を刺激した。小金吾が放った念力は微弱であるにも関わらず、翁の身体は風船のように大きく揺れ、ゆっくりと回転し始めた途端「ボッ」と音を立て煙となって消えてしまった。消滅する寸前に喉に扇子が突き刺さっている翁の哀れな姿を見た小金吾は茫然とし […]

  • 2023年7月16日
  • 2023年7月22日
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歴史ノンフィクション小説 その後の芳一 【第9話】

 芳一は座ったまま読経を続けていた。背後から維盛の手下達がグングン迫っている状況にまるで気づいていないかのように。  小金吾は大きな釣針のような鈎《かぎ》を右手に持ち、その鈎を結付けている紐を左手に持って芳一に向かって突進していていたが、標的まであと10m程度の地点で自らは立ち止まり、他の者達に突っ […]

  • 2023年7月12日
  • 2023年7月22日
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歴史ノンフィクション小説 その後の芳一 【第8話】

 富士川の河原には大小さまざまな石が無数に転がっていて、川の流れに洗われたせいか皆同じ様に丸く、同じ様に淡い灰褐色をしている。河原の土手沿いは歩くのが困難なほど草木が生い茂り鬱蒼としている。しかし、土手から川の間の平たい部分には限られた種類の草が散在して生えているが、ほとんど木は生えていない。低木が […]

  • 2023年7月4日
  • 2023年8月2日
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歴史ノンフィクション小説 その後の芳一 【第12話】

 主力の武器を失い、小金吾は焦りながら紐のもう一端に付いている分銅を投げ、芳一を絡め取ろうとしたが、分銅はワンテンポずれて芳一がいた場所に達し、芳一は更に前進し小金吾に迫ってきていた。(南無三・・・)杖頭に反射した月明かりの光が目に入り、小金吾は再び天命が尽きるのを感じた。 「チャリン」と遊環が小気 […]

  • 2023年7月3日
  • 2023年7月18日
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歴史ノンフィクション小説 その後の芳一 【第10話】

「いいのか維盛?所従頭が簡単にやられたぞ、お前の手下もやられちまうんじゃねえのか?」 「であれば、小金吾もそれまでという事でしょう」 「ほお・・・随分軽いな」  藤原忠清は維盛の手飼の駒である小金吾が坊主に消されてしまう事を心配したが、維盛は笑みを浮かべて軽く流してしまった。  ヒュンヒュンヒュンヒ […]